ライトノベル 9S<ナインエス>W レビュー

タイトル 9S<ナインエス>W
著者 葉山透
イラスト 山本ヤマト
出版 電撃
発売日 2004年8月


執筆者:jade 評価:
3巻から続く前後編の後半。
今回は主役・脇役問わずとにかく戦闘シーンが多いのですが一回の戦闘に割り当てられるページが全体的に少なく、少々拍子抜け。待ちに待った由宇VS闘真の戦いでさえわずか6ページで決着がついてしまいます。この戦いはこの巻だけでなくシリーズ通してのメインイベントと言っても過言では無いだけにちょっと物足りなかったですね。まあ短くても戦闘の内容は濃かったのでダラダラと実の無い描写を続けられるよりはマシでしたけど。
またマジシャンや変異体など倒したと思っても生き延びていてまた戦うという展開が何回も繰り返されたため、多少くどさを感じたかな。でもその度に新しい能力を付加しているので批評しようと細かなところまで意識して読まなければ特に気にならないとは思います。

戦闘描写が売りのこのシリーズですが今回の最大の見所はマジシャンの正体でしょう。ちょうどこの巻の半分辺り、闘真が気付いたシーンで初めて言及されるのですがすぐには回答を出さずに最後の最後まで正体を明かすのを遅らせたところがイイですね。段階的にヒントが出てくるので謎解きの要素を十分に楽しめます。まあ勘の良い人なら闘真と同じ場面で気付くと思いますけどね。

さて今回利害の一致から協力することになった麻耶と由宇。これまでの巻を見る限りでは水と油のように相容れない関係にあり、対極の存在にあるように見える二人ですが本質的な部分では似た者同士なんですよね。この二人の言い争いはまるで子供の喧嘩のようで見ていて微笑ましいものがあります。大っぴらな協力関係にあるのはこの巻が最初で最後となりそうなのが少々残念ですね。闘真&由宇のコンビよりも麻耶&由宇の方に魅力を感じたのは私だけではないと思います。

今回で各登場人物の立ち位置がはっきりし、いよいよ物語が動き出した印象でこれまでの話はただのプロローグに過ぎなかったのだと感じさせます。果たして由宇と闘真の行く末には何が待っているのか?これからの展開に目が離せませんね。


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